生成AIに対する期待感が生んだ新たな挑戦
「AIで限界突破だ!」
創業以来30年以上にわたりオラクル製品に特化したコンサルティングサービスを提供してきた中本・アンド・アソシエイツ。その副社長を務める清瀬氏が発する力強い言葉の背景には、確固たる経営戦略があります。
長年ERPコンサルティングという軸で事業を展開してきた同社にとって、「このままずっとこれでいいのか」という経営課題から、会社の未来を見据え、新たな成長軸を模索する動きが始まっていました。
清瀬氏は「汎用型のAIは遠い未来の話ではない。生成AIに対する期待感が強かった。」と語ります。従来のロジックベースのAIでは対応しきれなかった「人の判断が必要な業務」にも、技術革新が光を当て始めていたからです。
執行役員の小西氏も「ERPを導入しても、お客様にはかなりの手作業が残るんです。人の判断が入る部分は、RPAでも機械学習でも解決できません。でも生成AIやAIエージェントなら、人がやっていたことをもっと自動化できるのではないかと感じたんです。」と続けます。
ここで重要だったのは、AIを単なる「導入する技術」として捉えるのではなく、「既存事業と連携しながら飛躍をもたらす武器」として位置づけたことでした。
ERPという既存事業との相乗効果を狙い、お客様の課題解決の最前線にいるからこそ見えるペインポイントを、AIで解決していく——この戦略的な再定義が、次の一歩を切り開く原動力となったのです。

「”使う”から“共につくる”という意識転換が、
未来を変えた」

清瀬氏は「最初に聞いた時は正直ピンとこなかったんです。『AIプロバイダー』? 何の話?と。でも、“これは自分たちも提供者側に立てるんだ”と気づいた瞬間に、一気に視界が拓けました。」と振り返ります。
Leapnet が掲げるのは、現場知見をノーコードでAIエージェント化し、SaaS型プロダクトとして事業化できる仕組み。その設計思想に、清瀬氏や小西氏は強い可能性を感じたといいます。
小西氏は「今まではAIを探すところからスタートしていました。でもLeapnet なら、AIを作るところから手を出せる。使う側から作る側に回れたのは大きいですね。」と述べます。
すべてを一から作る必要はなく、専門知識がなくても現場の知見をもとにAIソリューションを構築できる——まさに「専門家でなくても、現場の知見をもとにAIをつくれる」という考え方に深く共感したのです。
これまではPoCを始めるまでにも時間がかかっていましたが、今回はPoCまでのスピードも圧倒的で、このスピード感が社内の意思決定にも好影響を与えました 。「本当に1ヶ月ないぐらいで実現できた。スピード感はものすごく早い。」と小西氏は振り返ります。
こうして、中本・アンド・アソシエイツは「AIプロバイダー」としての新たな道を歩み始めることになりました。
試行錯誤の果てに見えた新しい景色
AIプロバイダーとして、まずは「異常検知AI」と「ERP強化AI」という自社の強みと親和性の高い2つの軸でソリューション開発をスタートしました。ERPの延長線上にある実業務での課題にこそ、現場の知見とAIの掛け合わせが活きると考えたからです。
そのソリューションの第一弾となったのが、建物の修繕業務の知見を活かした「GenbaLens」の開発です。マンションやビルの管理会社が抱える、人手のかかる点検・診断業務をAI化するソリューションでした。
しかし、開発は決して平坦な道のりではありませんでした。「当初我々がやりたいこととAIでできることに結構ズレがあった。」と小西氏は振り返ります。
特に大きな課題は、生成AIの「ズレ」をいかにコントロールするかという点でした。「同じ質問しても毎回答えが違う。でも業務システムに落とし込むときは、このズレを抑え込まないといけない。」と語ります。
業務システムの観点から「同じ内容の動画を投げ出したら、同じ結果が出る」仕組みを求めましたが、小西氏は「AI技術者からすると“もったいない”と思われるかもしれませんが、業務に組み込むにはこの精度が必要だったんです。」と振り返ります。そうしたギャップを乗り越えるために、試行錯誤を重ね、妥協せず技術的な挑戦を続けました。
この取り組みの中で得られたのは、技術的成果だけではありません。社内外からの反響や、現場からの「これ、使ってみたい」という声が、自信となって返ってきました。
これまで”人手でしかできない”と思われていた業務が、AIで本当に実現できるようになったのです。 この変化は現場にとっても大きなインパクトをもたらしました。
「GenbaLens」は単なるソリューションの第一弾ではなく、AIプロバイダーとしての可能性を証明する重要な布石となったのです。

ユーザー体験が劇的に変わる未来へ

中本・アンド・アソシエイツが描く未来は、単一ソリューションの提供にとどまりません。清瀬氏は「マンション修繕に限らず、異常検知AIはいろんな業種、いろんな場面で使えるだろう。」と語ります。社内の多様なメンバーによるブレインストーミングを通じて、第二弾、第三弾のソリューション開発も進行中です。
注目すべきは、その事業展開の思想です。従来の競合関係を超えた「共創・協働」のモデルを目指しているのです。
清瀬氏は「ライバルがそれぞれ作る時代じゃない。3社分の脳みそを組み合わせて、新しい価値を出す時代。」と語り、小西氏も「複数のAIモデルを組み合わせてAIエージェントとして走らせることも全然ありだと思います。」と続けます。
最後に、現場起点でのAI開発に関心を持つ企業に向けて、力強いメッセージが送られました。
小西氏は「AIの専門家でなくても、“現場の課題をどうにかしたい”という意識がある人にとっては、大きなチャンスだと思います。そういう現場目線を持つ人こそが、AIプロバイダーに最もマッチするんだと思います。」と語り、清瀬氏は「口だけでなく、手を動かすプレイヤーこそ今後活躍できる。」と断言します。
現場で培った知見と、AIという武器。その掛け合わせが、”できない”を”できる”に変える突破口になります。
中本・アンド・アソシエイツ のAIプロバイダーとしての新たな挑戦は始まったばかりですが、まさに「AIで限界突破」を実現し、業界全体の変革を牽引する存在として、その歩みは今後も注目されていくことでしょう。
